前回の続きです☆

さて、五峯庵さんでのお料理はお任せなので、何が出てくるかは当日のお楽しみ。
当日お邪魔すると、こんな巻物を手渡されます。

これ、シェフが手書きでお品書きを書いてくれてるのですが、これがなかなか達筆で読めない。
奥様曰く、「当て字も多いので、最初は読みにくいけど、食事が終わる頃には読めるようになってるんですよ♪」との事でございます。

お魚を一生懸命つついてる時に出てきた、謎の包み「神之敷」。
伊勢神宮で神様に供える食事「神饌（しんせん）」にならってるのだそうです。

和紙を外すと、中から大きな素焼きのお皿が現れ、その上には地元の食材を中心に作られた、様々なお料理がキレイに盛りつけられています。
がんもどきでしょ、カボチャに姫竹に牛蒡にフキでしょ、人参に百合根に、うどにめかぶにコンニャクに、エビにえんどうにばち子に、厚焼き玉子にホオズキトマト。
はぁぁ、まだ何か抜けてるっ。

どれも味付けはシンプルなんだけど、コリコリとかシャクシャクとかプリプリとか、それはもう色んな食感が楽しめます。
私が特に好きだったのはカボチャ!!

写真で見ると焼いたみたいな色合いなんだけど、煮てあるのを表面炙ったのかなぁ?な感じになってます。
なので、外はややパリッとしてて中はしっとり甘々♪
初めて食べました!!
あ、ばち子も人生初めて食べた!!
口に入れた瞬間、海の香りがプンと広がってお酒のアテ決定!!
それと、これも人生初めて食べたホオズキトマト!!

外観は完全にホオズキなんだけど、中の身はトマト。
でも食べるとイチゴに似た甘さ!!　頭が微妙についてかないっ（笑）
「これ、スーパーとかで売ってない…ですよねぇ?」って奥様に聞いたら、普通に「スーパーでは見た事ないですねぇ〜」と言われました☆

次はお造り。
真鯛と貝(赤貝?)で、鯛は洗いにしてあります。
珍しいのは、これらのお刺身を、塩昆布を細く切ったのとわさびで食べる事。
この食べ方は初めてです。

初めての食べ方だったけど、お醤油で食べるより塩分は強くないし、何より昆布の旨味と軽い塩分がお刺身に移って美味しい!!
うわ、この食べ方大好きだー!!
後、貝のお刺身は牡蠣くらいした食べた事なかったんだけど、この貝は身がプクプクしてて甘い〜♪
そうそう、昆布で食べるとお刺身の甘みが倍増します!!
「この食べ方、家でマネできる?　ここの塩昆布とかはやっぱりすっごく高いの?」(←何て聞き方…)
と奥様に聞いたら、
「もちろん、昆布は市販のでも大丈夫ですよ♪」
と、教えてくれました。
ただ、最初から細いヤツは塩分が強いので、角昆布を切ってねって事でした☆

旨々のお造りをいただいた次は、焼きハマグリ〜♪
火が着いたまま出てきました♪
ホントは今の季節だとアワビらしいのですが、私がアレルギー持ちなんで(食べたら即病院送り)、予約の時にこれだけは外してもらったのです。

はまぐりは殻が外してあるので、食べる時に殻の隙間に竹串で静かにこじ開けて食べます。
でないと、中にある汁がこぼれちゃうのですよ。
旨味いっぱいの汁と一緒に食べたはまぐりは、これまたプクプクで美味かった。
あー、お酒〜っ!!!

次は伊勢エビのお造り。
お皿の端っこにしがみついてる伊勢エビの頭も可愛かったけど(笑)、それよりもお造りは美味しかった!!
これも、昆布とわさびで食べます。
甘みがぐんと引き立ちます♪

次にきたお料理がこちら。
2枚の紅葉が重ね合ったようなお皿の上には、穴子と…肉まん?
もちろんそんなワケはなく、伊勢牛の塩焼きでして、白い部分はお塩でした。
しょっぱいのを想像してたんだけど、お肉は紙で巻いてあるので、最低限の塩味のみで味わえるようになってます。

火の通りが絶妙の、肉自体の美味さが前に出た一品でございました。
穴子は、有滝のものを塩コショウで味付けしてあります。
穴子って、白焼きかタレでしか食べた事ない私にとっては、「こんな食べ方もあるんだー!!」と目からウロコ!!
これもまた美味しいのです。

しかし、さっきの伊勢エビのお皿といい、この紅葉のお皿といい「こんなお料理にぴったりのお皿、どこで購入するのですか?」と尋ねたら、料理人自ら料理に合わせて焼いているのだとか。
ちなみにお湯のみも手作りで、四角いのに飲み口が作ってあるから、とても飲みやすかった。
で、こんなのがどっかで販売してるんだーと、一人で感心してました…。
すごいなー!!
料理人で達筆で器まで自分で作れるなんて!!
ホントにスゴイなぁ…。
そんな人、何かマンガの世界にいた気がする…。

次はお椀が出てきました。
中には、冬瓜のあんかけ。
トロリと煮た冬瓜は、箸でホロリと切れるんだけど、よくよく見て見ると細く包丁で切ってありました。
あんは、生姜がきいてて甘い目。
エビの赤が差し色で見た目もキレイなお椀でございました☆

さあ、そろそろ美味しいご飯も終わりに近づいてきました。
伊勢エビのお味噌汁、頭はさっきのヤツです。
伊勢エビのお味噌汁ってどこを食べるの?と、ずーっと考えてたんだけど、触覚の根元の辺りのお肉とかが食べられるのだそう。
食べ方下手で無理だったけど、エビのダシがよく出たお味噌汁でした。

次は止め鉢。酢の物。
サメのタレ(塩味)が入った酢の物、美味しい!!
サメのタレって、いただいても焼いて食べるくらいしか出来なかったけど、これだと合わせ酢のお塩も入れなくていいくらいかも!!
後、わかめと一緒に入ってた緑の野菜、蓮イモと聞いてビックリ。
輪切りじゃなかったので気づかなかったです。

シャクシャクとした歯応えが、なくともよくて好き♪
お皿に添えてある、何だかキラキラした可愛らしい葉っぱは「バラフ」と言う野菜なのだそう。
食べた事がない食感（サクサクとシャクシャクの間?）と軽い塩味が何とも不思議なこの野菜は、佐賀大学農学部出身なのだそうです。
うーん、色んな食材があるなぁ…。

シメは鯛素麺でさっぱり。
コクもあるオダシで食べる温かい素麺も美味しかったんだけど、実は目を引いたのはお漬け物。

水茄子と伊勢たくわんとラッキョなんだけど、ラッキョはブルーベリーで漬けた自家製で、食べるとかすかにブルーベリーの香り。変わってて美味しい!
伊勢たくわんも、料理人の手にかかるとこんなに可愛らしくなります。

最後の最後は、ギリギリまで熟した感じのメロン。
「自宅ではこんなになるまで待った事ないけど、美味しいわー♪」と先輩マダムの言う通り、水分と甘みをたっぷりと蓄えたメロンは、口に入れたと同時にジュッとなくなりました。

五峯庵の初めてご飯、「勉強になったなぁ!!」が正直な感想。
ほとんどつきっきりでおもてなししてくれる奥様には、本当に色んな事を教えてらいました。
口にした事のない食材がいっぱいある事、調理方法（切る事にいたるまで）は1つに限らない事、美味しい食材は伊勢にもたくさんある事。

後はね、お料理の出るスピードは決して遅くはないのに（早いくらい）、気がつくと時間が経ってて途中でビックリしました。
食べ終わって時計見たら、すでに3時すぎ。
11時半過ぎに入ったので、3時間半ほど経ってた事になります。
これには先輩と「浦島太郎になったみたいだね…?」と、驚いてしまいました。

ランチとしては、そうそう食べる事のないお値段ではありましたが（15750円）、美味しいお料理はもちろんの事、新しい知識と時間と静かで落ち着いた空間も一緒にいただけたのだったら、それは決して高くはないなと思いました。

何かの記事で読んだのだけど、五峯庵さんはオープンしてる期間に限りがあるのかしら?
もしそうなら、もう一度行っておきたい!!
そんなお店でございました。
本当にごちそうさまでした☆

追記。
浦島太郎状態な2人は、この後冷やしぜんざいを食べに行ったのでありました。
「お腹いっぱいー、もう食べられないー、でも甘いモノは別〜」
なんて事言いながら。

五峯庵のサイトはこちら→☆
五峯庵
伊勢市二見町山田原499-2
TEL　0596-43-3522
営業時間
11:00〜14:00
17:00〜22:00
不定休
駐車場あり。（ご確認くださいませ☆）

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